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After Birthday
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「御堂、実はもう一つプレゼントがある」

 御堂の誕生日を終えた週末、ダイニングテーブルで向かい合いながら遅い朝食を食べていると、克哉がそう切り出した。御堂は飲みかけたコーヒーのマグから口を離して答える。

「もうプレゼントはもらい尽くしている」

 今年の9月29日は平日だったが、克哉は仕事を定時で切り上げ社員全員きっちり帰らせると、御堂をディナーへと誘った。最高級フレンチ、グランメゾンでの目と舌を喜ばせる食事に御堂の誕生年のワインがサーブされ、そして夜は当然のように五ツ星ホテルの部屋が用意されていた。日常の中に際立つような非日常の夜を演出してくる克哉の手腕はさすがで、御堂はまさしく特別な夜を過ごしたのだ。
 そして、今でもその一日を思い返しては幸福の余韻に浸っている。克哉には十分すぎるほどのプレゼントをもらっているのだ。これ以上何かを受け取ることなんてできない。
 だが、戸惑う御堂を無視して克哉は御堂の手に小さな箱を握らせた。

「そう言わず是非受け取って欲しい」
「おい……」

 高級感のある黒い小箱は、ブランド名こそ刻まれてないものの、まるで指輪でも鎮座していそうな雰囲気だ。御堂の鼓動が高鳴りだす。
 まさかと思いつつ、そっと箱を開くと、そこには見たことのない物体が箱の中に収められていた。
 3センチ程度の平べったいそれは、金属のような光沢があるが陶磁製のようだ。円が連なったような不思議な形をしていて、片方の先端には糸が取り付けられている。
 見たこともない物体に御堂は首を傾げた。少なくともそれは御堂が知る指輪の形状からかけ離れた形状である。

「なんだ、これは?」
「プロステートチップですよ」
「プロステートチップ?」

 プロステート(prostate)……前立腺のことか?と訝しむ御堂に、克哉はテーブルの上に両肘をついて、組んだ手の上に顎を乗せつつ、そのチップの解説を加えた。
 その説明を聞いて御堂は自分が手にしているそれが、尿道に挿入して前立腺を刺激する淫具であると知り、うっかり込み上げた感動があっという間に怒りに差し替えられる。

「ふざけるな、こんなもの要るか!」
「気持ちいいらしいですよ。御堂さんに試して欲しくて」
「君が試せば良いだろう!」

 小箱ごと克哉に投げつけようとしたところで、克哉は組んだ手の上から御堂を上目遣いで見上げる。

「あなたのエロい姿を見たくなって。……駄目か?」
「ぅ……」

 克哉は小さく首を傾げて、御堂の顔を覗き込みながらねだる声を出す。
 普段は傲岸不遜で偉そうなのに、こういうときに限って克哉は年下の立場を悪用する。あまりにもあざとい仕草に御堂は頬を紅潮させた。
 誕生日の余熱は今でも尾を引いている。いつも以上にとことん愛されて尽くされたあとだからこそ、克哉の頼みを断りづらい。そして、腹立たしいことに、この男はそこまで計算した上で、御堂にこんないかがわしい誘いを持ちかけている。しかも、強制ではなく、あくまでもお願いという形であることがさらに許しがたい。
 このまますげなく断ると、克哉のプレゼント(と判断してよいものだろうか)を受け取らない御堂は薄情であるという文脈に書き換えられかねない。
 克哉は柔らかな表情で薄く微笑んでいる。部屋に満ちる陽の光に包まれた克哉は、甘やかで優しい完璧な恋人のように見えた。
 悪趣味だ、そう吐き捨てたいのに、ありとあらゆる退路を塞がれていた。それでも御堂はかろうじて虚勢を張ってみせる。ぷい、とそっぽを向いて強い口調で言った。

「今回だけだからな」
「もちろん」

 視界の端で克哉がにやりと笑った。



 克哉に連れられてベッドに移動するとあっという間に服を脱がされた。裸でベッドの端に腰をかけると、克哉は御堂の前に跪き、御堂の股座に頭を伏せた。まだ柔らかいペニスを口に含み、しゃぶり出す。

「――っ」

 竿の根元からくびれ、そして亀頭まで熱く濡れた舌が絡み、頬の粘膜で扱かれる。克哉の巧みな奉仕に御堂のペニスはすぐさま反応し、張り詰めた。

「佐伯、イく……っ、ぁ、あああっ」

 克哉の頭を掴んで刺激を抑えようとしたが、容赦のない口淫にあっというまに絶頂を導かれた。止めようもなく克哉の口内にだくだくと放ってしまう。

「いきなり何をする……」

 克哉は口を大きく開けて、御堂の白濁を絡めた舌を見せつけると、御堂の目の前で精液を嚥下する。克哉のひとつひとつの仕草があまりにも淫猥で、絶頂の衝撃と相俟ってくらくらと目眩がしてくる。
 御堂の呼吸が整ったところを見計らって、克哉が例のチップを渡してきた。

「出したあとだから挿れやすいだろう?」

 この口淫さえも準備の一環らしい。克哉が御堂に挿れ方を細かく指示するのを絶頂の余韻でぼうっとした頭で聞いた。ひんやりとした滑らかな質感のチップは実際に手にしてみると歪な形で、こんなものが本当に尿道に挿入るのかとおそれが込み上げてくる。

「……本当にこれを挿れるのか?」

 許してくれないかとチップを持ったまま克哉を見上げるが、克哉はにこやかな笑みを浮かべたまま御堂を見詰めている。どうあってもこれを使う以外の選択肢は残されていないらしい。
 御堂は覚悟を決めると左手でペニスを持った。親指と人差し指で亀頭を挟むとぐっと親指を押して尿道口を開いた。精液を吐き出してぬらめく赤い粘膜が覗く。そこに、チップの丸みのある先端を潜り込ませた。

「――ぅ」

 克哉の言うとおり、狭いはずの道はぐっしょりと濡らされてチップを挿れるのに抵抗はなかった。恐る恐るチップを進ませれば、どんどんと深く呑み込まれていく。本体を全部潜り込ませると指で竿を扱くようにして、さらに奥へと進めていった。スムーズにチップは進んでいくが、異物が敏感な精路を侵入していくという違和感はどうにも拭い去れない。

「ん、……っ」

 ペニスの根元までチップが到達すると、次は会陰部を押し込むようにしてさらに奥へと進めることになる。克哉の視線を感じながら陰嚢を持ち上げ、会陰部をくにくにと押してチップを深いところへと沈ませていくと、不意にかちりと何かが噛み合う感覚があった。次の瞬間、下腹の奥で火花が散る。

「――っ、ぁ、ああっ」

 抑えていた声が漏れた。最初はむず痒いようなもどかしい感覚だった。しかし、ペニスの根元のさらに奥深いところから沸き立つその異様な感触を一度快楽と認識してしまうと、もう快楽以外の何ものでもなかった。甘ったるい官能の熱が身体の奥底でねっとりと揺らめく。少しでも動くと、コップいっぱいに湛えられた水のように、滾る熱がゆらゆら揺れて溢れ落ちてくる。
 今までにない体感に体温が上昇し、じわりと汗をかいた。紅潮した頬に、半開きの口からは熱っぽい吐息が漏れる。細かく身を震わせる御堂に、克哉が小さく笑う。

「ハマったようだな。気持ちいいか、御堂?」
「気持ちよくなんか……ぁああっ」

 否定しようと声を上げた瞬間にびくりとチップが動いた。前立腺に強く食い込み、痺れるような悦楽の電流が身体の中心を走り抜けた。だが、快楽は一向に引かない。とろ火で炙られるような熱が身体の奥底から御堂をじわりと浸蝕していく。
 寄せては返す波のような快感は男性特有の直線的で鋭い快楽とは違った。もどかしいほどに焦らされる快楽に御堂は自分のペニスに擦りあげようとした。だがすんでのところでその手を克哉に掴まれる。

「何……?」
「射精すると外れてしまうからな。さっき出したから、しばらくは持つだろう?」
「ぁ……っ、よせ――っ」

 克哉は抵抗しようとする御堂を易々と抑えつけ、御堂のペニスの根元にリングをはめ込んだ。勃起したペニスを戒められて、射精を封じられる。
 別に手を拘束されているわけではない。そんなリング、外そうと思えば簡単に外せるのに御堂は動けなかった。

「ぁ、あ、あ…あれが、動いて……っ、ひあっ」

 克哉に抑えつけられたのがきっかけになって、チップはぎっちり深く嵌まったらしい。少しでも動こうとすれば深いところの筋肉に力が入り、尿道括約筋がチップを食い締める。途端にチップは前立腺にがちっと噛みつき、新たな快楽が御堂に襲いかかるのだ。だから迂闊に動くこともできないが、それでもチップの存在を意識してしまうだけで、身体に力が入ってしまう。
そうなればもうチップはまるで生き物みたいに蠢いて、次から次に快楽が湧き上がる。エネマグラに近いのかもしれない。それ自体は動いたりしない単なる器具なのに、身体が勝手に反応して無限の快楽ループを生み出してしまう。そして、身体の内側から噴き出す快楽からは逃れようもなく、ひたすらに炙られ続ける。御堂の身体の奥深いところでじゅわりと何かが滲みだし滴り落ちた。
 ベッドに倒れ込んだ御堂は、シーツをかきむしるようにして絶え間ない快楽を耐えていると、克哉が御堂の両脚を大きく拡げた。臍につくほど反り返ったペニスは赤く腫れ上がり、血管が浮き上がっている。その下のたっぷりとした陰嚢、そしてアヌス。克哉の舐めるような視線を感じてしまい、それだけで官能が昂ぶってしまう。

「あんたのここ、物欲しげにヒクついてる」
「――ひあっ!」

 克哉の指が御堂のアヌスに伸ばされる。爪の先が触れたか触れないか、たったそれだけの刺激なのに、チップが大きく前立腺を抉り、御堂は大げさなほどに身体を仰け反らせた。

「指を突っ込んでやろうか?」
「そんな、よせ……無理っ、ひ、ぁああっ」

 会陰部にローションをたっぷりと垂らされて、先走りの蜜とローションをしとどにまとった克哉の指が御堂の中へと潜り込んでくる。克哉の指先はすぐさま御堂の快楽の凝りまで辿り着き、そこをゆるゆると撫でてきた。

「ふぁっ!? あ、んああああっ、イく……ひっ、―――ああああ」

 チップと指で挟まれた前立腺から官能が津波のように押し寄せて、御堂を一気に絶頂の天辺まで打ち上げた。
 激しい絶頂に揉みしだかれるのに、御堂のペニスは射精を封じられている。ドライで達しているのだ。そして、終わりのないすさまじい極みに囚われ続ける。ビクビクと四肢をわななかせて、総身に汗が噴き出た。御堂の頬は紅潮し、口からはとめどなく艶めいた声が漏れ続ける。

「すごいな」

 克哉は感心したような声で呟いた。指で御堂の中をかき混ぜつつ、もう片方の手で御堂の乳首を捏ねたり、戯れにペニスをなぞったりと絶え間なく刺激を与えてくる。そのたびに御堂は絶頂の渦にたたき落とされて、息をするのもままならない。
 それはもう御堂の理性を奪うには十分すぎるほどの刺激で、甘苦しい悦楽に嬲られ続けて何かを欲しがるかのように腰がカクカクと揺れた。
 自分の身体なのに自分ではどうにもならず、おののくほどに克哉の思い通りにされてしまう。それでも御堂は貪欲だった。

 ――足りない……っ。

泥沼のような悦楽に引きずり込まれているのに、決定的な何かが欠けていた。
 脳天まで溶かされそうな疼きから解放されるためには、こんな器具ではなく、熱く硬いものに貫かれたい。そして、満たされたい。
 あと一歩のところでたどり着けない苦しさに堪えられなくて、どうにかして欲しくて、御堂は克哉の腕のシャツを掴むと、克哉をぐいと引き寄せた。

「っ……ぁ、さえ……きっ」

 克哉を求める甘ったるい声が漏れてしまう。克哉がどこまでも優しげな声と顔で聞き返す。

「どうした、御堂? 俺にどうして欲しい?」
「ふ、あ……っ、意地悪なこと、言うな……っ」

 克哉のシャツ越しの肩に額を擦りつけるようにして、克哉の香りをかぐ。タバコに苦みが混じった馴染んだ香りに自分がいま何を求めているのか、明確な輪郭が結ばれていく。御堂は切ない声を上げた。

「佐伯……お願いだから……っ」
「駄目だ、御堂。何をして欲しいのか、ちゃんと言葉にしないと」

 克哉は御堂の肩に手をかけて御堂を引き剥がすと、御堂の顔を覗き込んだ。恨みがましい目で克哉を見返すが、克哉は慈悲深い笑みを湛えたまま、動こうとはしない。
 せがまれて不承不承だったはずなのに、なぜか自分が懇願する形になっている。とても納得がいかないが、それでももう我慢できなくて、観念して克哉を求めた。

「君ので……私をいっぱいにして…っ。私を滅茶苦茶にしてくれ……っ」

 喘ぐようにして切れ切れに乞う言葉に、克哉は息を詰めた。克哉のレンズ越しの眸に獰猛な光が宿る。
 ぐいと身体を引き起こされて尻たぶをわし掴みにされ腰を持ち上げられると、向かい合わせで克哉の膝の上を跨ぐ形にされた。位置を合わせると克哉は手の力を緩めた。御堂の腰が落ちて真下にそそりたつ克哉の怒張をずぶずぶと咥え込まされる。

「んあああっ、ああ――――っ」

 克哉によって懐柔された粘膜はいとも容易く克哉を根元まで呑み込んだ。それどころか、粘膜はとろりと熟んで克哉を欲しがり、まとわりついて克哉を奥へ奥へと誘い込もうとする。
 みっちりと腹の中を満たされて、同時に前立腺をチップごと激しく抉られて、御堂の深いところで官能がのたうち回る。

「すごいな、あんたの中……。引きずり込まれそうだ」
「はあっ、あ、や…、んっ、く……っ、んああ」

 御堂を深々と貫いた克哉が唸るように言い、下から垂直に突き上げてきた。
 上下に揺さぶられ、前立腺の内側からだけでなく外側からも直撃する律動が休む間もなく御堂を責め立てる。
 叩きつけるような律動にベッドが激しく軋んだ。淫猥な器具と克哉に容赦なく貪られて苦しいはずなのに、どろどろに溶かされて狂おしいほどの快楽に変換されてしまう。それが恐ろしい。
 克哉が御堂の下腹に視線を落として言う。

「御堂、びしょびしょだぞ。漏らしたみたいだ」
「言うな……っ」

 根元をがっちりとリングで抑えられているのに、張り詰めたペニスの先端からはひっきりなしに蜜がこぼれ落ちた。ぐっしょりと二人の下半身を濡らしている。まるで粗相をしてしまったかのようだ。それを克哉に指摘されて御堂は羞恥に身悶える。
 克哉が獰猛に腰を遣いだした。抜き差しされる太いペニスに粘膜をめくられ、結合部はぐちゅぐちゅと粟立つ。身体の内側を全部こねくり回されるようなすさまじい衝撃。だがそこから沸き起こる快感も強烈で、獣じみた興奮に脳が痺れて蕩けて、更なる激しい交わりを求めてしまう。

「もっと……っ、克哉…っ」

 淫らな衝動に唆されるまま、両手を克哉の首に、両脚を克哉の腰に絡めて身体を密着させる。
 克哉は御堂にせがまれるまま、中を深く、強く、えぐる。眉根をきつく寄せて苦しげな表情を見せる克哉もまた、切羽詰まっているのだろう。
御堂は快楽に染まる吐息を零しながら、自ら腰をくねらせ貪欲に克哉を求め、普段の自分からは考えられないほどの痴態を見せてしまう。克哉に貫かれるたびに、チップが前立腺を抉り、身体中のいたるところに悦楽が波紋を広げた。

「は……っ、あ、あ…っ、か、つや……っ」

 御堂がキスを求めるように舌を出せば、克哉が深く上体を被せて御堂の舌に舌を絡める。律動のたびに離れては繋がるキス。それがもどかしくて、たまらない。
 克哉もまた極みがすぐそこまで迫っているのか、短いリズムで腰を打ちつけてくる。克哉の指が御堂のペニスに絡みついた。絶妙な圧で根元から扱き上げられ、男としての快楽を呼び起こされる。

「んあっ、ふ、は……っ」

 キスの合間に必死に酸素を取り込む。それでも飢えているかのように互いを切実に求め合った。
 克哉の手が御堂の根元のリングを外す。同時に、これ以上ないくらい深々と貫かれた。

「ぁ―――っ」

 堰(せき)が決壊し、滾りきった熱が弾ける。びゅるっとチップを押し出して勢いよく迸る精液は二人の下腹から結合部まで派手に散った。
 激しすぎる絶頂に打ち震えながらも、御堂は恍惚と微笑んでいた。忘我の境地に至る様はこの上なく淫らで、そして清らかだ。
 克哉はそんな御堂の唇を唇で塞いで、腰を震わせる。猛りきった克哉のものがどっと御堂の中に熱を注ぎ込んだ。



「壊れるかと思った……」

 出した声は掠れきっていた。ベッドに突っ伏す御堂の身体は重い疲労が染み渡り、指一本さえ動かすもの億劫だ。

「すごかったな」

 動けない御堂の代わりに御堂の身体を清めて、克哉もまた深々と息を吐く。

「あんたがこれほど乱れるとは思わなかった」
「君のせいだ……」
「でも、良かったろう?」

 返事代わりに克哉をきつく睨み付ける。だが、潤みきった眸で睨み付けても迫力はなく、克哉は苦笑しながらチップを回収する。

「これは危険だな。しばらくは封印するさ」
「しばらくだと? 永遠に封印しろ」
「たまには使いたくなるかもしれないだろう?」
「なるか!」
「先のことは分からないからな」

 克哉は御堂を宥めるように額に落ちた前髪を指で掬い上げるとそこにキスを落とした。御堂の機嫌を取りながら顔から首筋まであちこちにキスを散りばめられる。くすぐったさに克哉を押しのけようとした指に指を絡められ、ぎゅっと握られた。ふたたび克哉の身体が覆い被さってくる。うなじにかかる吐息も今しがたの熱を孕む肌もすべてが心地よく、反抗する気力をあっという間に溶かされていく。
 こんな風にして毎度克哉に流されてしまう自分が一番腹立たしいが、克哉の幸せに満ちた表情を前にすると怒りも何もかも忘れてしまうのだ。
 御堂はそっと顔を動かし、克哉の頬にくちづけた。そう、先のことは分からない。だからこそ、今はこの気持ちよさに浸っていたい。誕生日という特別な日を終えても、克哉との一日はいつだって特別なのだ。

「「あいしてる」」

 互いに囁き合う声が静寂をわずかに乱した。
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